記事一覧

トップ > 光学機器 > センサー > デジカメのラティチュードは意外と狭い

デジカメのラティチュードは意外と狭い

よくダイナミックレンジが広いと明暗差の有る写真が撮れると思っている方もいると思いますが、明暗差の方はラティチュードの方で、前にも書いたようにダイナミックレンジ≠ラティチュードです。
というか、ラティチュードは素材に依存し、現在のデジタルカメラで使われているシリコンで作られたCMOSセンサーは、どんなに画素面積を大きくしても一定光量以上で飽和します。
実際、明るい場所で暗い物体に露出を合わせるとあっさりと白飛びしますし、逆に明るい場所に露出を合わせると暗い物体はあっさりと黒つぶれします。
このシリコンの特性により、デジカメのラティチュードは意外と狭いのです。

それに対してダイナミックレンジは、このラティチュードの範囲内を、どれだけ細かくサンプリングできるかの問題となります。
例えば極小1/2.3インチのセンサーでも16bitのADCでサンプリング、出力すれば、それだけで中判並みのダイナミックレンジが得られます。

本来素材に由来するラティチュードですので、大型の中判センサーも、小型の1/2.3インチセンサーも同じラティチュードと言うことになりますが、実際には有効画素面積の割合の問題もあり(配線層や遮光部、隣の画素の信号が漏れないようにするための絶縁層など、それらがある程度の面積を専有するため、小型センサーの方が有効画素面積の割合が小さくなる。)、効率の問題もありラティチュードの差が出ます。
わかりやすく言えば、小型センサーは有効画素面積の割合が小さい分、基準感度でも信号を増幅しています。これは暗い部分だけ増幅し、明るい部分だけ増幅しないという事は出来ないため、全体が同じ割合で増幅されます。
さらに半導体センサーは、光に対してS字カーブの感度を持っているため、暗い部分をしっかり出すために、明るい部分も必要以上に増幅してしまい、その結果しろ飛びがでやすくなり、ラティチュードが狭い様になっています。
※逆に増幅しなければ白飛びしにくくなりますが、その代わり感度が異様に低く、暗い部分がすぐに潰れるセンサーになってしまいます。

最近のデジカメは高感度に強く、光子の量的に見るとほとんど光子数カウンタ並の感度になっているので、これで明るい部分が穂和しにくい素材が見つかれば、素晴らしいセンサーが出来るんですが、それが登場するのはいつになることやら。